2016.07.25
コンタクトスポーツでの外傷、交通事故による外傷 『胸骨骨折』
夏休みに入り、車でのお出かけが多くなる季節になりました。そこで気を付けたいのがやはり交通事故です。交通事故では様々な損傷(ケガ)が起こりえます。今回はその中の1つ、胸骨骨折についてお話します。
胸骨とは、左右の鎖骨の間、肋骨の間にある縦長の骨で、下端には剣状突起があります。
胸骨骨折は、大きな外力(交通事故の時にハンドルに衝突したり、シートベルトによって発生します。シートベルト着用が普及してきたため、シートベルトによるものが多くなってきています。
シートベルトしてるんだから大丈夫なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、このシートベルトの着け方が誤っていると事故の時に身を守ってくれなくなります。
①骨盤ではなく腹部にシートベルトがきてしまっている。
②緩んでいる。
③シートを倒しすぎている。
これらに気を付けるようにしてください。
また、体幹の屈伸(前後に倒れる)の強制などでも発生するが、これらで起こる場合は、脊椎や縦隔臓器(左右の肺の間にある臓器)の損傷を合併していることもあるので注意が必要です。
胸骨骨折そのものは、発生頻度としては比較的低い骨折です。
《原因は?》
直達外力(直接力がその部位に達する)…強打、衝突、墜落など。先程の交通事故でのハンドル損傷やシートベルト損傷は典型的なものです。
介達外力(何かを介して力がその部位に達する)…体幹の強い前屈、後屈で発生。
交通事故ではその両方を含んでいるため合併症の発生頻度が高くなります。
筋力によるもの(筋肉の引っ張り)はごく稀です。
《症状は?》
①折れた部分に皮下出血斑(内出血)、腫脹(腫れ)が著しく現れます。
②その部位の圧痛、呼吸時の激痛のため、腹式呼吸(胸を開かないようにするため)をします。
③頭を前に倒し、両肩をすぼめ、痛みを和らげる体勢をとります。
《治療法は?》
転位の無いものは、副子を当て、包帯で固定、または絆創膏(テーピング)で固定します。肋骨骨折固定バンドと同様のものでの固定も併用します。
転位のあるものは肋骨骨折や脊椎骨折を伴っていることが多く、胸痛、呼吸困難、チアノーゼなどの症状、胸壁動揺(同じ骨で2ヵ所折れていると、その間の骨が呼吸時に膨らんだりしぼんだりする際、取り残される現象)が疑われる場合は速やかに医療機関に搬送してあげてください。
重篤な合併症が無い限りは、予後は良好ですが、骨癒合(骨がくっつく)に4~5週間かかります。
※《合併症》
①心挫傷、まれに心タンポナーデ、心原性ショックなど
②内胸動脈損傷(血胸)
③胸管損傷
④肋骨骨折、頸椎骨折、胸椎骨折
⑤縦隔臓器の損傷
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